2019.02.16 Saturday

死出虫の詩

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    死出虫――シデムシという生き物をご存知ですか?

     

    まるで妖怪か何かのような名前ですが、れっきとした実在の昆虫です。

     

    私は実は、自然の生き物とか、特に虫が好きなのですよね。地の底から沸き返り、溢れ出て、川のように流れる命・・・そこに温もりのようなもの、生命の温かさを感じるのです。

     

    それで、シデムシ。昆虫の中でも一番好きなのはそれです。

     

    彼らは森の掃除屋とか言われていて、腐肉食のスカヴェンジャー。動物の死骸を食べるようにプログラムされています。

     

    死骸があるとどこからか沸いて出て、群がり、骨だけを残してまたどこかへと去って行く。感傷的かもしれないけれど、納棺師としての自分の姿を、どこかしら投影させてしまう部分があります。

     

    ここまで読んだ方がもし『どんな虫かな?検索して見てみよう』と思ったなら、一応ご注意を。死骸に群がるシデムシはゴキブリの群れにも似て、とてもグロテスクな姿をしているのですから。

     

    でも、私がこの虫を好きな理由はその醜い姿と美しい生態のギャップにもあって、彼らは昆虫には珍しく、巣の中の自分の子に餌を運んで育てる習性を持っています。餌というのはつまり死肉を丸めた団子だから、これもまた見た目は美しいかというと悩ましい所ですが。

     

    昆虫も、家で子供を育てるのですよ。人間から見ると不思議に思えるかもしれませんが、それが遥か昔から続くシデムシの生態なのです。

     

    多分、何か生まれつきの性格なのでしょう、真夜中に生まれたらしいので、その影響かもしれませんが、私は生物界のスカヴェンジャー達に純粋な尊敬の念を抱きます。彼らは世界の淀みを代謝して、それを元の世界へ循環させている。

     

    昼の世界の不要物が、夜の世界の饗宴となって、よもつへぐいのもの共が、うけもちさながらに大地の豊穣を支えている。

     

    それはやっぱり何だか、温かいモノなのですよね。

     

     

     

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