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2018.12.26 Wednesday

浮腫と水疱

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    たまには、納棺の実務のことでも。

     

    リンパ関連のことがらについて。

     

    納棺師であれば、むくみ、浮腫(ふしゅ)というのは当然見たことがあるだろう。

     

    無くなる前の療養の状態とか、病気の内容などによって個人差はあり、死後もむくみが全く見当たらない人というから、無くなる直前に一気に身体全体が膨れあがってしまった、という方もいる。

     

    むくみが更に悪化するとそれは、水疱、水ぶくれとなって表皮の下に大きな水たまりを作る。

     

    水疱の処置はどこでも単純だ。処置後に再発しないように、まず切り開いて中の水分を吸い取り、給水パッドやフィルムなどを巻いて固定する。注意点があるとすれば、水疱のできやすい部位を知っておくことぐらいか。

     

    水疱は主に、背中や太ももの裏など、地面に接して圧迫されている部位の、周囲にできる。だから脇腹とか内股などが頻発箇所だ。重度のむくみのある方で、ぱっと見手先や胸元に異常が無いからと言って、安心してはいけない。上体を起こしたり、抱えたり、横起こしにしたりする前に、必ず脇腹等々をチェックしなければならない。

     

    水疱の中身やむくみの水分の正体が何であるか、それも知っておいた方が良い。独特の匂いのある淡黄色の液体は、広い意味で言うところのリンパ液だ。狭い意味で言えば細胞間質液と、リンパ液の混ざったもの、ということになる。

     

    基本的に人間の体細胞は、一定の水分バランスを自動で保つようになっている。動脈を通して余計な水分や養分が供給されると、水分は静脈に、養分はリンパ管にそれぞれあふれ出て行く。

     

    そのあふれる量がさらに限界を超えると、静脈やリンパ管といった”下水路”が決壊して、水分や養分、それから老廃物が細胞の中に留まったり、細胞の隙間や体表面などに流れ出てしまう。

     

    動脈から静脈に至る血液の循環を意識してはいても、リンパ系の循環、リンパ管とリンパ節の部位や繋がり方を意識していないという人は、納棺師の中にも案外いるかもしれない。

     

    処置が終わり、ご家族とのご面会という際には、お顔やお手元、お足元のむくみはできるだけ見えない場所に隠して差し上げたいものである。

     

    リンパ系の流れを理解していれば、例えば脇の凍結しているご遺体のお手元のむくみがどこまでならマッサージで移動できるか、お顔のむくみを解くためにまず身体のどの部分からマッサージしていかなければいけないか、そういう見通しも立つだろう。

     

    (あとついでに、関係ない話だがリンパマッサージを覚えたら自分の顔のむくみや頭痛とかをケアしたりもできる)

     

    もっとも私の経験上では、マッサージでご遺体のむくみを解消できるパターンはあまり多くはないと思う。点滴で全身が腫れ上がっている場合は、水分を逃がす先が無いのだから難しい。高齢の方で、リンパ管に沿った顕著なリンパ浮腫などの場合は、案外きれいにお手元を整えられることなどもあり、難しいがその辺の見極めが大事かもしれない。

     

     

     

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