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2019.01.11 Friday

新たなる神格

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    時々そう言っているのですが、私たちは知性-生命という両輪について、知性を優位なものだと考えすぎています。

     

    生命はそれ自体、宇宙を拓いていくエネルギーの流れであって、これが無ければ私たちの意識世界はそもそも、賢かろうが愚かであろうが”存在すること”自体できなくなってしまいます。

     

    そういう私たちの文化の不完全さ、バランスの不均衡については恐らく、思想的な人々によって近代どんどん認識されていっている所でしょう。

     

    そこで宗教心理という面からみて、私は神格、偶像というものについて語ってみたいと思います。

     

    知性の神格は、人間の歴史の中に広く見出され、一神教の興りと共に現代の人間たちの文明にしっかりと根付いています。

     

    それはつまり主にはキリストであって、またブッダも少なからずそうした類型に収まるでしょう。

     

    では、生命の神格はどうでしょうか。

     

    その昔、神話の時代にはイナンナやアルテミスなど数多の”地母神”が崇拝されていたのは広く知られたことです。

     

    しかしそれも前述の一神教前後において状況が変わり、知性の神格が独立した人間性のイメージを深めていくことで私たちにより身近な影響を及ぼしていく反面で、自然崇拝的な信仰対象は人類の思想への影響力という点において徐々に(古くさく、愚かしいものと見なされて)勢いを失っていったように見えます。

     

    知性と生命における宗教の発展段階をそれぞれ比較するならば、知性は人型の神格(一種の英雄)を得ているけれど、生命は人型の神格を獲得していない。こういう風に見ることもできるでしょう。

     

    未だ存在しない”生命の英雄”とはどのようなものか。ここで雄という字を用いることには多少抵抗を覚えます。なぜなら生命の神格は、知性の神格と(ダンスを踊るように)対になり生まれることではじめて、現代の私たちの文明に欠けているものを補完しうるからです。(補完的なものでないとしたら更新的なものになるのではないか。その場合、何かしらの文化の破壊と再生を必要とするに違いない)

     

    つまりそれは女性であって、キリストに相対するものとしての役割を持つ何か・・・

     

    そういう難しい役割を持つ偶像というものが、実はすでに世の中には存在しています。

     

    キリスト教文脈の影の中には、「聖者と異端者」を「富者と貧者」という形で見る文化が存在します。それは魔女の文化です。魔女文化は部分的に「”裁く者”から弱い者たちを守る」という命題を持ってもいるのです。

     

    より近年になって、この魔女文化の中で”アラディア”という偶像イメージが誕生しました。私が生命の神格として取りあげたいのは、まさにこのアラディアです。

     

    アラディアは文化的に言えば恐らく狩猟神アルテミスのイメージが引き継がれたもので、その特異な所はキリスト教文化と対立する中で人々を守ってきた(少なくともそういう命題を持っていた)経緯を持つ、魔女文化の新しい落とし子だということです。

     

    この流れがあればこそ、知性の神格としてのキリストと相補するものとして、アラディアは生命の神格となり得る、と私は考えます。

     

    知性の神格としてのキリスト、生命の神格としてのアラディア。この対比とバランスの中で神性というものが力動的に形を変えていくとき、私たちの心の文化の文脈がどう書き換わっていくのか、というのは長大な話になるでしょうから、今は手を付けずに置きましょう。

     

     

     

     

     

     

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