今日も死ぬのにもってこいの日だ
終活、という範囲に留まらず、心の良い習慣として「自分に対して死ぬ」というのを身に付けることも良いでしょう。
これは自由思想家であるジッドゥ・クリシュナムルティが述べたことです。
私たち人間は、生きていく中で毎日、「自分はこういう人間だ」という固定観念を成長させていきます。
そして場合によっては、その自分を縛る固定観念から逃げられなくなって、あれをしなくてはならない、これをしてはならないという勝手な空想によって、自分をダメにしてしまいます。
「私はこういう人間だ」という固定観念。それに対して、「死ぬ」こと。
実際、原子レベルで見れば人間の細胞というのは数ヶ月とかの期間で大体入れ替わってしまうそうです。
大げさに言えば、一年前の私と今日の私とは、全くの別人だということ。
にも関わらず私たちは、どうしてもその一年前の同じ骨の誰かと、今日ここにいるこの私とを関連付けないと気が済まないのです。
こんな風に、日々入れ替わるこの意識と命を、それぞれが全く新しい別の存在だと見抜くことこそ、「自分に対して死ぬ」ことだと言えるでしょう。
それによって何の益があるのかと言えば、自分への決めつけ、つまり私はウサギを食べたいと思わないとか、車のボンネットには座らないとか、絵を画くことはできないとか山には登れないとかいうつまらない思い込みを脱ぎ捨てて、今ここに実際にある私という存在の、ありのままの姿に向き合うことができる、というようなことでしょうか。
ただ何となく、無性に旅に出たい日だってあるでしょう。実際に旅に出れるかどうかはさておき、そんな自分の心に気付くということ。自分の心の新たな側面に出会うということ。
それがまた、人生に新たな可能性を呼び込んでくれるのだとも思います。
どうでも良いけれど、マイケル・ブーブレはどうしてこんなにも吉幾三に似ているのだろう。これがシンクロニシティというものだとしたら、私たちの集合的無意識には吉幾三が原型として刷り込まれているのかもしれない。
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