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2019.02.06 Wednesday

LoVe(Undertale解題)

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    今日はゲームの話。

     

    ここ数年の伝説的ゲームをひとつあげてください、と言ったら、世界中のどれほどの人がToby Fox氏制作の『Undertale』を挙げることでしょうか?

     

    この一本はどこか懐かしいグラフィックと、完成された古き良きチップチューンの音楽とは裏腹に、その圧倒的に斬新なストーリー構成でまさにコンピューターゲームの世界にパラダイムシフトを起こした、と言える傑作です。

     

    本日はそれについて語りたいのですが、何分このゲーム、初プレイ時の衝撃がすさまじく、貴重な体験となることからネタバレ厳禁の扱いになっています。

     

    ゲームの発売当初は、レビューサイトですら内容紹介も無しに『とにかくプレイしてみて!』の一点張りが当然だったというくらい、ネタバレによって感動が薄れてしまう作品…

     

    ですから私もそれにならって、未プレイの方の感動を奪わないよう以下は文字を白くして書いておこうと思います。読むぞという方は文章を全選択するとかして、反転させた上で読んでください。

     

    ↓以下ネタバレ

     

    さて、恐らくこのゲーム、事前情報なしでプレイすればはじめは特定のキャラだけを戦闘で殺してしまうニュートラル(通常)ルートでクリアされることでしょう。

     

    そして別のエンディングを求めて誰も殺さないパシフィスト(平和主義)ルートをクリアする、というのが定番です。

     

    問題はその後パシフィストルート(Pルート)の最後の最後に、"友達"はプレイヤーにぽつりとこんなお願いをします。

     

    曰く、『物語は終わって、誰もが幸せになれた。これ以上の終わりはない。だからどうか、君(プレイヤー)はもうこのゲームを起動しないで。そして別のやり方を試したりしないでほしい…』

     

    さて、この段階で恐らくほとんどのプレイヤーは、攻略情報などの関係でGルート(ジェノサイドルート:虐殺ルート)の存在を知っていることでしょう。

     

    そしてゲーム世界のキャラクター達への感情移入が深ければ深いほど、"友達"の言う通りここでこのゲームを完全にやめるのか、それとも更にこの先にあるGルートへ進むのか、の選択を迫られることになります。

     

    キャラクター達は、大団円のエンディングを迎えて明るい未来へと歩き出したところです。その先の世界は、ただただプレイヤーの想像に委ねられている。そのようやく幸せにたどり着いた仲間たちの物語を、最初の状態へと巻き戻し、あろうことか今度は一人ずつ順番に殺していく…。

     

    多くのプレイヤーが悩み、進んだ人もやめる人も居て、でも恐らくより多くのプレイヤーがGルートへと"決意"して進んでいったのではないかと思います。

     

    それについて『Toby Fox氏は私たちプレイヤーのゲームキャラクターに対する本心の残酷さや、人間の好奇心のどうしようもなさを見事に暴露した』と評する人も居ます。

     

    しかし私は、個人的にはかなりすんなりとPルートからGルートへ突き進む"決意"をしました。("友達"や仲間の幸せな終わりを破壊するのは、確かに胸が痛くはあったけれど…)

     

    なぜその選択を迷わなかったかというと、私はゲームの中のキャラクター達に、私の中でよりリアルに生きていてほしいと思ったからです。

     

    結末を知ってしまったゲーム、終わりを迎えてしまった物語、それを何度となく繰り返したところで、キャラクター達は私にとってすでに生きていない、死んでしまったのも同然な思い出の蒸し返しにしかなれません。

     

    未知なるものだけが生きている。全部を知ってしまったら、終わってしまう。

     

    私は生きていてほしかった。『Undertale』の世界と、そこに住むあまりにも魅力的なキャラクターたち。未知としての彼らと再び出会い、お互いの時間を共有しうる可能性があるのなら、それが例え相手を殺す結末にしかたどり着けないとしても、迷いはしなかった。

     

    結果として、あまりにも悲しい最後にたどり着くことにはなってしまったけれど…

     

    それでも胸の内では、ああ、彼らとの物語を最後までちゃんと味わうことができたんだ…という奇妙な安心感のようなものを覚えながら、最後にはパソコン上からゲームデータを『手放した』のでした。

     

     

     

     

     

     

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