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2019.02.22 Friday

冥き白夜

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    細かい場所は忘れてしまったのですが、確か、日本を代表するアニメ映画の巨匠・押井守監督が『スカイクロラ』の作品インタビューか何かで、こんなことを言っていたと思います。

     

    現代の私たちは平和であるが故に永遠を生きており、有限で重苦しい期間としての、確かな生の実感を得ていない。

     

    この観点は、地域活性の仕事をしていた頃の私の課題とちょうど噛み合って、その頃良く気にしていた『枯れると腐る』の問題にすんなり溶け込んでいきました。

     

    自然の摂理の通りに自らの終わりを自覚して、与えられた栄養の全てを昇華し、使い切り朽ち果てていくものの姿は、その枯れてゆく様すら美しい。

     

    しかし、不自然な我欲に捕らわれ使い切れぬほどの養分を溜め込んだ挙げ句、突然死して倒れ伏すものの亡骸は、異様な腐敗と悪臭をまき散らし凄惨な様相となる。

     

    地域、伝統、会社組織、あらゆる人間の創造のカタチ。盛者必衰の言葉の通りに、それらはいずれは世を去らねばなりません。

     

    しかしその世を去るときになって、自らの命の全てをより大きな何かの循環の中に明け渡しておくかどうか。このことが、命としての私たちが時間を超えた繋がりの中に参入しているかどうかを決めるのではないでしょうか。

     

    会社事業なども、100年企業とかそういうことを考えるのは普通、道理と言えば道理でしょうけれど、それよりも大事なのは事業の過程でどれだけ素晴らしい人材や文化を育て上げ、その人物なりがまた別の所で成功したときに、育て上げた古巣の会社の名を自分のアイデンティティの中にしっかりと持ち続けていること・・・そんなことこそが、本当に美しい世の営みなのではないかと思うのです。

     

    人は、終わりを知らなければならない。永遠を生きてはならない。

     

    夜のない白夜は人の中にある自然のリズムを狂わせ、今や誰もが、寝不足の頭でぼうっと白んだ地平線を見つめて立ち尽くしながら、本当の夜が穏やかに私たちを迎えに来てくれることを待ち望んでいるのかもしれない。

     

    終わらないものはない。この日本という国だってそう、いつかはまた別のカタチへ。人類の文明だってそう、地球圏の歴史全体を見ても、きっとそうなのです。

     

    いずれ終わりはある。けれど美しいいのちは、それでもなお、続いていく。

     

     

     

     

     

     

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