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信用と情報。
現代の金融市場では、株式取引の9割がプログラムによる自動取引、という話がある。
中でも、決められたアルゴリズムに沿って1秒間に数千回という単位で取引を繰り返す超高速取引などは、すでに我々人間の想像を超えた論理判断で市場にダイナミズムを生み出しており、その不気味さと危険性から規制強化も進められている。
風が吹けば桶屋が儲かる。そういう話。
季節が来れば一斉に花が咲くように、群れの一番外側の個体の突発的な動作が群れ全体に波及していくように、そして今ここで草むらから飛び立つ蝶の羽ばたきひとつが、地球の裏側で巨大な台風を巻き起こす因果の糸を紡ぐように。
つまりは今時、市場経済を動かすのにはほんのちょっとの刺激があれば事足りる。もちろん私たち人間には、機械がどの刺激を好んでどの情報をサインに行動を変化させていくのか、ということまでは計算できないのだが。
だがそうした機械達の行動の変化も、発端はどこかの誰か、つまり人間の判断の変化に起因して、それに刺激され起こっていくものだろう。
だとしたら市場経済を混乱させるには、ほんの少しだけ、経済的にインパクトのある事象を情報として演出してやれば良いのではないか。
例えばトランプ大統領がメキシコとの国境開放についてコメントしたら。中国との貿易の推進、或いは日本の軍国化への不快感を表明したら・・・しかもさらに、その全ての情報が同じタイミングで一斉に、複数のSNSに投稿されたとしたらどうだろう。
ほんの一瞬、人間達を騙すニュースを作ることは難しくない。もちろん、彼らはすぐにその大ニュースがフェイクであることに気付くだろう。
だがその一瞬、ほんの少しの時間だけで、情報が市場に与える影響は一気に膨れ上がり、元々の事象と無関係にそれ独自の経済的結末を形成していくのではないか。
信用が、所詮は情報によって作り上げられる虚構に過ぎないのだとしたら、私たちはその同じ”情報”というプロトコルを通して、信用を破壊することも出来る・・・のかもしれない。
(ただ実際には、そう簡単に市場システムがダメージを受けたりはしないだろう。およそどのような有機物だって、当然の様に免疫力と回復作用を持ち合わせているのだから。)
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