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2019.07.24 Wednesday

悟りと病理

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    悟りという現象は、私たち人間が持つ言語的な能力に深く関連している。

     

    私たちの脳内にある言語世界は、人生を通して経験した肉体感覚が、言語というラベルと共に系統立てて保存された、一種の記憶データベースである。

     

    そのデータベースがある程度育つと”私”という概念が創発され、言語世界に中心性が生じてくる。

     

    その”私”概念がより成長し複雑化していくと、いずこかのタイミングでこの概念は引き裂かれ、崩壊し、もはやその強力な形や中心性を保てなくなる。

     

    これが悟りという現象の典型である。

     

    そこで私たちは気付かねばならないが、生まれて以来まだ”私”という概念を作り上げていない人がいるとしたら、その人は順当な経路に沿って悟ることはできない。

     

    その場合、まずその人の中に自然に”私”の概念が育つのを待つか、でなければ教学の深い所を教えて、自己形成の課題を迂回させてやる必要がある。

     

    後者の場合も、後々社会不適応を起こさないためには”私”という概念とは一体何か、それを持つこと持たないことで何が起こるのかを、理論的にだけでも理解させねばならない。

     

    さて、このように悟りは自己形成という課題と関連があり、”自己”概念は私たちが精神の成長のある時期だけ持っているべき一過性の幻想、という特徴を持つ。

     

    このような”自己”幻想を持てない顕著なパターンとは、現代で言えば特に神経発達症と診断される人々の場合である。

     

    発達障害、ADHD、アスペルガー症候群、言い方は何でも良いが、自己形成と悟りの間には、切っても切れない順序的な関わりがあることを知っておくと良い。

     

     

     

    JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学

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