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2018.08.20 Monday

「こんなに痩せちゃったんだね」と言わせない納棺師

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    納棺実務。着付けの小技。

     

    洋装であれ和装であれ、ご遺体に服を着付ける時に気にすべきところが二つ。

     

    一つは、お腹。実務で納棺をしている人間なら当然知っているだろうし今更になるとは思うが、長い入院や介護の生活を通して、年配の方の腹部は極端にへこみ、ウエストが細くなってしまう。

     

    そのままの状態で着物を着付ければ、腰紐を結んだ時に絞りあげるような形になり、痛々しい。洋装のワンピースやスーツであっても同様で、腹部がぺこりと凹んでウエストがぶかぶかになっている姿は、それを見たご家族に悲しみを与える。

     

    対応は単純で、着物や下着をお着せする前に、綿や布をお腹のくぼみに当て、肋骨と同じ高さになるよう補正しておく。基本的なことではあるが、手順を急ぐあまり忘れることのないようにしたい。

     

    もうひとつのポイントは、えり元。例えば私たちがジャケットを着ている時に、頭を下げて地面を見るような格好になったとしよう。すると、背中、うなじの側で、ジャケットと首の間にある程度の隙間ができるのがわかるだろう。

     

    ご遺体の「お頭を上げる」ということは、つまりこの姿勢を取っていただくということである。必ずえり元に余裕ができ、それが前面にまわれば、ぱっと見てわかるような着物やスーツの「着崩れ」になる。

     

    この場合の対応も、同じように綿などで服との隙間を調整することになろう。首の後ろ、見えない位置、Yシャツやジャケット或いは着物のえりと地肌との間に、ある程度の厚みにまとめた布などを差し込む。えりのたるみは背中側に引き込まれるので正確な寸法は崩れはするのだが、それでもお召し物の前面がピンとはっている方が見た目に美しい。

     

    経験のある納棺師からすれば、こんなことはみな現場で当然のように行っていることではあろうから、あえて書くことではなかったかもしれない。

     

    であればこの記事は、厳密に専門納棺師ではなくとも自分たちの手で納棺を行うこともある、葬儀の施行担当の方々の参考にでもなるならば、幸いというものだ。

     

     

     

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