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2020.08.20 Thursday

根源的暴力

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    だが私自身は、果たして理想を固持するために暴力的な革命さえ志向するのだろうか。単純にそうはならない。

     

    誰かは言う。「やり遂げねばならない。理想と希望こそ、人が苦難を生き抜くためのよすがなのだ。どのような犠牲を投じても、守るべきものがあるとしたらそれだ。無視され見捨てられた人々が堪え忍んできたのは何故だったか。全てはそのわずかな希望、より良い未来への選択肢が残っていたためだ。どうして私たちは今それを放棄して、犠牲にされた人々の上で安住できるのだ。」

     

    また誰かは言うだろう。「そこまでして理想や正義を主張する必要があるのか? 君は元々、誰かが苦しんでいるこの現実をどうにかしたかっただけだ。それなのに今度は、君自身が他人を傷付け苦しめようとする。そこまでする意味があるか? そんなことをするくらいなら、手の中を空っぽにして無力なまま流されてしまえば良い。君自身も不正に目をつむって、手を汚して生きる方がましじゃないか。」

     

    諦めきったしわがれ声が聞こえる。「君は人間の秩序について論じる。無駄なことだ。人間そのものが歪んでいるのだから、彼らの秩序も必然歪んでいる。正しいのは神だけだ。真理は揺るがない。それは人間の幸福とは関係ない。理想を掲げるとか掲げないとか、そんなことは全く、問題の本質ではない。」

     

    誰が何を選択するのか? その先のことは見通せない。

     

    だから今日、私はただ単に、理想は暴力に基づいているということを言いたい。

     

    兵器の力であろうが数の力であろうが、何にせよ暴力を自覚しない理想は、虚ろで世間知らずで、無力だということだけを言いたい。

     

     

     

     

     

     

     

    JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学

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