<< アゴが上がらないんです | main | アゴが上がらないんです >>
2018.07.27 Friday

アゴが上がらないんです

0

     

    アゴ上げその◆ ( その,呂海舛 )

     

    ※骨や筋肉の名前が色々出てくるので、ご興味のある方は別枠で画像検索などしながら読むとわかりやすいです。

     

     

    詰め綿のこと。これについてはどうしても経験とカンが頼りにはなるが、それだけ言っていてもはじまらない。

     

    ご納棺の業務にしてもカウンセリングにしてもそうだが、相手は人間だから常に状況は異なり、混沌としている。「こうしよう」と思っていたとおり進むことは少ない。

     

    だからこそ大事なのはフレームワーク、枠組み、理論だ。理論が無秩序に形を与え、それを可視化し、導いていく。理論は正解ではなく、型枠だ。無秩序な状況がそこへ流れ込み、決められた形をまとうことではじめて、私たちはそれを取り扱うことができる。

     

    詰め綿を置く位置の部位は何と言うか。そう聞かれて「左右と真ん中の奥の方」というような曖昧なところで終わらせないようにしたい。

     

    左右の綿は、舌と歯の間に差し込む。八重歯と奥歯の中間地点。顎二腹筋という筋肉が前腹と後腹に分かれて走っているが、そのちょうど間。顎舌骨筋という幅広い筋肉が口内の言わば「床」を形成している。これを内側から押し広げ、下アゴを引き下げようとする力を奪う。

     

    同時に、詰め綿がちょうど舌骨と下顎骨の間に挟まれ詰め物の役割をすることで、下アゴが上がる。

     

    真ん中の綿は、舌の根、舌根の裏側にある「喉頭蓋谷」という部分に収める。この綿は舌骨を前に押し出す働きをする。左右の綿はどうしても舌骨を背中側に押し沈めてしまうが、するとまた下アゴが背中側に引っ張られて、口が開いてしまう。

     

    左右の綿と喉の奥の綿を両方詰めることで、舌骨が前後から圧迫され、固定される。

     

    骨と関節の位置を調節すると同時に、力を失って緩んだ筋肉を綿の弾力で支え、空間を埋めていく。これがメカニズムの全体だ。

     

    諸注意が二つ。

     

    年配の方で特に皮膚の薄い方については、左右の綿を差し込んだ時に、ブドウの房状のリンパ節(顎下腺)がくっきりと浮き出てしまうことがある。見た目にショックが大きくご家族を動揺させるため、左右の綿を減らして真ん中の綿を増やすとかして対策をしたい。

     

    ふたつめ。中央の綿を収める喉頭蓋谷というのは、喉頭蓋という喉のパーツの上部分にあたるが、この喉頭蓋は筋肉によって制御されている軟骨のプレートであり、筋肉が弱って嚥下障害を起こしている方などは、プレートが倒れて喉頭蓋谷が見当たらなかったりすることがある。その場合はいつにもまして綿を多く詰め、喉頭全体を埋めて支えにしなければならない。

     

    詰め綿の概説はこんなところで、誰に需要があるのかもわからないアゴ上げの話題は次回で最後にしよう。そのでは唇のあわせ方と、おまけとしてアゴバンドなどその他の補助部材について解説したい。

     

    その

     

     

    ブログランキングに参加しています。

    ひとつ宣伝と思って、クリックで応援をお願いいたします。

    にほんブログ村 ブログランキング・にほんブログ村へ

     

     

    JUGEMテーマ:葬儀

    コメント
    コメントする








     
    Calendar
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930     
    << November 2020 >>
    Webサイト
    夜沌舎 https://yoton.org
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Mobile
    qrcode